■コンサート
ドイツはハルバーシュタットの廃教会で、ジョン・ケージの"Organ2/ASLSP(オルガンの2乗/可能な限り遅く)"のコンサートが進行中だ。
2001年に始まったこのコンサートもこれまでに2音が演奏され、終了まで残すところ636年となった。
1年半の最初の静寂の後2003年2月始まったG#-B-G#の音に7月5日低音のE-Eの音が加わり、現在も鳴り続けている。

このコンサートのために特別製のオルガンが作られた。鍵盤はおもりで押したまま固定されるようになっており、今後必要な音に応じてパイプが付け加えられるようになっている。
「これには哲学的な背景があります。我々の住む多忙な時間の中で、遅さの中に静けさを見いだそうとしているのです。」とコンサートを支えている財団の運営に関わっているGeorg Bandarauさんは語る。
「639年のうちには、平和な世になっていることでしょう。」

コンサートは2001年9月5日、ケージ生誕89年の日に始まった。最初は静寂から始まるため、1年半はオルガンに供給される空気の音だけだった。
「できるだけ遅く」とはどれくらい遅くなのかという議論が音楽の専門家とプロジェクトに関わったオルガン製作者によってたたかわされた結果、ハルバーシュタットにある1361年につくられたオルガンの年齢を記念して639年と定めた。
ハノーバーの南東にあるこの街へ、最初の和音を聞こうと去年の4月から9月までに1万人の人々が訪れた。次の音が始まるのは2006年3月。
→き、気が遠くなる…(´・ω・`)

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