初心者向け

何事を始めるにつけても人は不安でいっぱいになるもの。
そして自分よがりでいると失敗を犯してしまうもの。
それは、今も600年前も変わりません。


仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとり、徒歩より詣でけり。
極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。
さて、かたへの人にあひて、「年比思ひつること、果し侍りぬ。
聞きしにも過ぎて尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。
少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。

(徒然草より)


仁和寺にいるお坊さんが、年をとるまで石清水八幡宮に行ったことがなかったので、ちょっと行っとかないとまずなって思って、よっしゃ!ちょっくいら行って来るか!!と思って 一人で、歩いてお参りに行った。
山のふもとの極楽寺・高良などの八幡宮のおまけの寺社を拝んで、山の上にある肝心の八幡宮に行ってないのに達成感でいっぱいになって仁和寺に帰って来た。
その後、坊さん仲間に向かって、「やっとこさ八幡宮にお参りに行ってきたよ。八幡宮は噂に聞いていたよりすごかった! それにしても、お参りの人たちがみんな山へ登って行ってたけど、 山の上でなんかあったんでしょうかねw行ってみよっかなって思ったけど、お参りできればそれでいいから、わざわざ山に登んなかったよ〜。」と言った。
些細なことについても、案内役はあってほしいものである。


 

画像[大]

トップ